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感染症想起

母とつれが外出すると知らされ、こっそりと隔離部屋からポチが留守番する居間まで降りてみた。

もうポチを何日も撫でていない。

マスク姿の私にポチは唸り、

ゴム手袋で撫でようとすると噛みつこうとした。

「オレだよ、オレ!」と掠れた声を聞いてポチはしまったという顔をした。

ポチは耳が遠く、目もぼんやりとしか見えない。

でも、臭覚だけはまだ達者だ。

いつもと違う薬漬けの匂いの私に不信感を抱いたとしてもしようがない。

其れともポチの記憶の中から私は既に抹消されていたのか…。


いずれにしてもこの罹患者よりポチの方が環境順応性が高いことは今度の一件で明らかになった。

生きものは頼もしい。


写真は隔離部屋にて描いた拙作。

こんな事しかできないし、

こんなものしか描けない。



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